今回は、東京オリンピック2020年のスケートボード競技の日程と会場、ルールや歴史についてご紹介します。
スケートボードは若者を中心に世界中で人気のあるローラースポーツの1つです。
国際オリンピック委員会(IOC)では、若者のオリンピック離れを防ぐためにも2020年の東京オリンピックでスケートボードを追加種目としました。
東京オリンピック2020 スケートボードの日程・会場
開催日程:スケートボードなど2020年オリンピックの追加種目となった競技の日程は、まだ正式決定されていません。発表されましたら追記します。
会場:青海アーバンスポーツ会場
所在地:東京都江東区青海
会場の青海アーバンスポーツ会場は常設の競技場ではなく、大型レジャー施設やショッピングモールなどが数多く立ち並ぶお台場に仮設の会場が設けられる予定です。
スケートボードのルール
スケートボードは一枚の板に車輪が付いたボードを使ったスポーツです。
ボードを使って様々な(トリック)技を披露して難度を競います。
同じトリックでもスピードや大きさ・高さによって差が付き、更にトリックの組み合わせなどの中で選手の個性や能力などもアピールします。これらを総合的に評価採点して勝敗を決めます。
競技種目はストリートとパーク、フリースタイルとフラットランド、バーチカルとバート、スラロームと大きく4つに分けられます。この中で、2020年東京オリンピックで採用された種目はストリートとパークです。
〇パーク(PARK)
水を抜いたすり鉢状のプールなどを利用して滑り始めたことがきっかけとなった種目です。当初はお椀型のボウルと呼ばれる専用施設で行われていましたが、現在では様々な形・角度に湾曲したボウルやウォールを複雑に組み合わせた“コンビプール”と呼ばれるコースで競技します。
見どころは、高速での空中浮遊や体操競技のような飛び出しからの回転技です。
〇ストリート(STREET)
街中(ストリート)に存在する斜面、縁石、手すりなどを利用して技を披露することから発展した種目です。ストリートでは30~150mの直線に街中にある障害物(縁石・斜面など)を模したものがあるコースで自由に技を競います。
見どころは、セクション(障害物)を飛び越える際にスケートボードから足が離れ、高度なバランスコントロールが必要なアクロバティックな技をしてみせるところです。
スケートボードの乗り方は、レギュラースタンス(左足が前の乗り方)とグーフィースタンス(右足が前の乗り方)が基本です。どちらか自分に合った方を選び、自分のスタンスを「メインスタンス」といいます。
〇主なトリック(技)一覧
プッシュ | 片足で地面を蹴って前進 |
ターン | 重心移動で左右に曲がる |
チクタク | 前輪を左右交互に振って前進 |
フェイキースタンス | メインスタンスのまま逆走 |
スイッチスタンス | メインスタンスの逆スタンスをとる |
(テール)マニュアル | 前輪を浮かせて前進 |
ノーズマニュアル | 後輪を浮かせて前進 |
パワースライド | テールを一気に前に持って行き減速できる |
ボンレス | 片手でデッキの側面を持ち、前足で地面を蹴って乗る |
オーリー | テール→ノーズの順で蹴ってデッキを浮かせながらジャンプする |
フリップ | デッキを縦に回転させる |
インポッシブル | 足にデッキを絡ませてデッキを回す |
スライド | デッキをセクションに当てて滑る |
グラインド | セクションにトラックを当てて滑る |
180°ワンエイティー | ジャンプしてデッキを半回転させる |
※デッキは足場となる板のこと
※ノーズはデッキ(足場となる板)前方、テールはデッキ後方
※トラックはデッキと車輪を繋ぐ固定部分から車軸までのこと
実は2016年8月に東京オリンピック競技の追加種目となった時点では、IOCがオリンピック出場資格を公認するスケートボードの日本選手権や世界選手権は開催されたことがありませんでした。
アメリカなで行われるXゲーム、ストリートリーグなどはありますが、“国を背負って世界一を決める”大会というものは存在しませんでした。当然、“日本代表”も編成されたことはありません。
そのため、世界で統一した明確なルールなどはまだなく、2017年4月に初めて行われた日本選手権などを経てオリンピックに向けて調整しているようです。
スケートボードの歴史
スケートボードの起源については諸説ありますが、一般的には1940年代アメリカのカリフォルニアで木の板に鉄製の戸車を付けて滑って遊んだことが始まりと言われています。
スケートボードの原型については、1950年代に売り出された「ローラーサーフィン」という木製チップとゴム製のホイール(車輪)が付いたオモチャだとされています。
別の説では、キックスケーターからハンドルを取ったものが原型とも言われています。
1960年代に入ると、カリフォルニアの高級住宅地や別荘などの水を抜いたプールで乗り始めたことにより流行が本格的となりました。ホイールはウレタン製、プラスチック製などのものも出てきました。
1970年代になるとブルース・ローガンやラス・ハウエルといったスター選手が誕生します。
プレースタイルもフリースタイルやスラローム(旗を設置してタイムを競う)系に加え、バンク、ボウル、ハーフパイプなどを備えたスケートパークが建設されて様々なトリックが開発されます。中でも有名なものは、1978年アラン・ゲレファンドによる「ノーハンドエアリアル」で彼の愛称から“オーリー”の名で広まりました。
1970年代半ばには、日本でもサーファー以外にも大流行して各地でスケートボードを楽しむ若者の姿が見られるようになります。特に代々木公園へスケートボード愛好者たちのメッカとして全国的に有名になりました。
秋山弘宣、秋山勝利の兄弟や西岡昌典といったプロスケーターも誕生して“第2次スケートボード・ブーム”が到来します。
1980年代中頃にはバートランドやフラットランドで活躍したトニー・ホーク、ロドニー・ミューレンなどによって、ストリートでのトリックが発展していきました。
また、優秀なスケーターにはスポンサーがついて、そのスケーターの名を冠したスケートボードが販売されるようになりました。
日本ではスケートボード・ブームは一旦落ち着きますが、1982年に全日本スケートボード協会(初代会長、秋山弘宣)が設立されました。
1990年代には街中での障害物を対象としてトリックを行うストリートが主流となります。トリックが複雑化を始めたことにより、ボードの形も水平回転しやすいようにノーズとテールの形が同じになるなど変化していきます。
また、スケーターのファッションにも注目が集まり、日本のファッション誌では“スケーター系”という単語が見られるようなりました。
2000年代以降は、ストリートスタイルの流行によって街中の建造物が破壊される問題も出てきました。日本各地では公共スケートパークの開発が進み、初期ブームで中心だった若者たちが親世代となり、親子で楽しむスポーツとなって広く浸透するようになりました。
2016年8月、スケートボードが2020年東京オリンピックで追加種目となることが決定しました。IOCに加盟する国際ローラースポーツ連盟(FIRS)が長年、スケートボードのオリンピック採用に向けて協議してきましたが、スケートボードの大きな大会を取り仕切っているのは国際スケートボード連盟(ISF)です。
ISFはIOC未承認の団体だったので、当初はオリンピックに関係しないのではとも思われましたが、結局、FIRSとISFは共同で「東京2020スケートボード委員会」を設立しました。
2020年東京オリンピックでは、FIRSはオリンピック競技の正式な運営者(他の国際大会は運営しない)となり、ISFがオリンピック競技の構成・審判・コースのデザインを担当することになりました。
まとめ
「遊び」から始まりその気風を大事にするスポーツなので、国別対抗のような大会がありませんでした。その為、統一したコースやルール内容、採点方式などついて現在調整しているようです。
2020年の東京オリンピックでは、世界レベルのスケーターたちの派手なトリックとスピードによるパフォーマンスを楽しみたいですね。
以上、「東京オリンピック2020 スケートボードの日程、会場、ルールと歴史」でした。
Yoshida
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