オリンピック競技の中には、歴史があり誰もが知る競技だけではなく、世界に広まりつつある比較的新しい競技も採用されてきています。
その代表とも言えるのが、今回ご紹介する自転車競技、「BMX」ではないかと思います。今後さらに広がるであろうこの競技は、もちろん東京オリンピック2020でも採用されています。その日程や会場を確認するとともに、ルールと歴史を学んでいきましょう。
東京オリンピック2020 BMXの日程、会場
【BMXフリースタイル】
競技日程:8月1日(土) ~8月2日(日)
8月1日(土) | 10:10 - 12:20 ・男子フリースタイルパークシーディング ・女子フリースタイルパークシーディング |
8月2日(日) | 10:10 - 12:45 ・男子フリースタイルパーク決勝 ・女子フリースタイルパーク決勝 ・男子フリースタイルパーク表彰式 ・女子フリースタイルパーク表彰式 |
会場はウォーターフロントエリアの有明北地区に仮設で整備される「有明BMXコース」です。約5,000席の観客席が設けられる予定となっています。
BMXのルール
まずBMXとは、Bicycle Motocross(バイシクルモトクロス)の略であり、20インチ径または24インチホイールを持つ競技用自転車のことを指します。
スピードコントロールが主な役割となるブレーキは、後輪のみに付けられています。
それらを使って行う競技は、レースとフリースタイルの2系統に分かれています。競技によって車体の特徴が違っているため、両方の系統で同じBMXを使用することはありません。
また、BMXには強度が求められますので、マウンテンバイクと並び最も頑丈な自転車と言えます。それと同時に車体の軽量化が求められ、各パーツの形や材質などに工夫が凝らされています。
独特の操作法ゆえ、ペグ・ジャイロ・フリーコースターハブなどと呼ばれる、他の自転車にはない独自のパーツが存在します。
オリンピックではレース競技が採用されています。
全長300m~400mの舗装されていないオフロード上にある、様々な形状のジャンプ台やバームと呼ばれるコーナー、こぶなどの様々な障害物をコントロールしながら走り抜けるという競技です。
タイムではなく順位で争われるため、高度なテクニックやバランス感覚、ライダー同士での駆け引きなどが要求されます。
レーススタイルはスーパーモトクロスと呼ばれる、巨大なスタートヒルから駆け下りビックジャンプを飛んでいく迫力あるスタイルが主流となってきており、オリンピック競技もこのスタイルです。
スタートの合図は録音の声によって行われます。フライング防止のためゲートが設置されており、スタートの合図で倒れるようになっています。
スタートしてからフィニッシュラインまでの通過タイムを競い、それによって順位が決定します。
選手達はメダル獲得に向けて、予選→準々決勝(男子のみ)→準決勝→決勝とコマを進めていくことになります。
予選では次のラウンドの組み分けを行うために、各競技者が1回の単独走を行う、タイムトライアル方式となります。
その後、準々決勝は8人×4組・準決勝は8人×2組で行い、3回走行した上での順位点によって各組の上位4人が次のラウンドに進むこととなります。決勝は8人×1組の1回走行でタイムを競い、順位が決定します。
またBMXの大会では、年間の成績でランキングが決まり、そのランキングが翌年度のナンバープレートとなります。
BMXの歴史
続いてはBMXの歴史についてご紹介します。
1970年代初頭にアメリカ・カリフォルニア州を中心に始まったとされているBMXは、子どもたちがモトクロスに憧れ真似て、20インチの自転車を乗り回していたことが原点と言われています。
70年代半ばには、専用のバイクを使ったレースが全米で行われるようになりました。競技人口が増えるにつれ、組織化されたレースへの要望は高まっていきました。
そこで1974年には全米のBMXレースを管轄する全米BMX協会(NBA)が発足し、徐々に他の英語圏にも広がり、1982年には初の世界選手権が開かれました。
また、1982年に映画「E.T」でBMXが重要な小道具として登場したこと、「BMXアドベンチャー」という映画の製作が行われたことなどが、認知の広がるきっかけであったようです。
オリンピック競技としては、2008年の北京より男女ともに採用されており、2020年の東京オリンピックで4回目の開催となります。
オリンピックで実施される種目には限りがあるため、マウンテンバイク競技のダウンヒルやフォークロスといった種目の選手が、BMX種目に参加するケースもあるようです。
日本では1982年に初めてのBMXチームが結成され、1984年には全日本BMX連盟が発足しています。
1989年にオーストラリアで開催された世界選手権に3人の選手を派遣して以降、年齢別クラスで4人の世界チャンピオンが誕生していますし、アジア選手権を制すなど、有望な選手を擁しています。
オリンピック競技ではないですが、フリースタイル競技でも世界レベルの大会で優勝を飾る選手が多く存在しています。しかし国内でのBMX競技人口は現在、数千人程度と推計されており、まだまだ人口増加を期待したい競技であります。
まとめ
今回は、東京オリンピック2020での開催が決定している自転車競技、BMXの日程とルールや歴史をご紹介しました。パフォーマンス性も高いため、観戦もより楽しめるBMX。まだ認知がそれほど高くない競技ですが、オリンピックでの日本人の活躍も期待したいですね。
以上、「東京オリンピック2020 BMXの日程、会場、ルールと歴史」でした。
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