オリンピックで男子新体操がない理由。リオ閉会式映像と選手紹介

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新体操というと女子だけの競技だと思っていませんか?

実は男子にも新体操競技があり、2016年リオオリンピックの閉会式でパフォーマンスに加わり話題となりました。ではなぜ、オリンピックでは男子新体操は競技として採用されていないのでしょうか?

今回はその理由とリオオリンピックの閉会式の日本ショーで活躍した男子新体操の選手たちについてご紹介します。

オリンピックで男子新体操が採用されない理由

新体操は19世紀以降にドイツで行われていた手具体操を起源とし、ロシアのバレエを基にした芸術体操の影響を受け競技化したといわれています。その後、1920年頃にドイツで誕生した「現代体操(ドイツ体操)」をモデルとして現在のスタイルになってきました。

1950年に初めての国際大会、1963年にはハンガリーで第1回世界新体操選手権が開かれました。オリンピックでは1984年ロサンゼルス大会から個人総合、1996年アトランタ大会から団体競技が正式種目となりました。
これらは女子の新しい体操競技として考案され発展してきたもので、オリンピックをはじめ国際大会は女子の競技種目のみです。

新体操の男子と女子の演技の違いは下のようになります。

≪男子新体操≫
個人演技:1名で行う。演技時間は1分30秒弱。使用する手具はスティック・リング・ロープ・クラブ団体演技:6名(最低4名)で行う。演技時間は2分45秒から3分、手具は使わない。
徒手体操(跳躍・倒立・バランス・柔軟の静止技など)と転回系(タンブリングや組運動)で構成される。宙返りなどアクロバティックな動きは禁止されていない。
≪女子新体操≫
個人演技:1名で行う。演技時間は1分15秒から1分30秒以内。使用する手具はロープ、フープ、ボール、クラブ、リボン団体演技:5名で行う。演技時間は2分15秒から2分30秒以内。全員が一種類、または二種類の手具を持つ。宙返りなどアクロバティックな動きは禁止されている。

男女で少し違いがあるものの、競技種目として大きくかけ離れているものではありませんね。しかし、男子新体操は世界では一般的ではありません。

実は、男子新体操は第二次世界大戦後すぐに日本で生まれました。
その起源は戦前から行われていた手具を一切使わずに一糸乱れずに行う団体徒手体操です。

1949年には団体徒手体操として国体の正式種目となり1968年から「新体操」となって続いていましたが、残念ながら2008年からは国体の正式種目からは休止扱いとなっています。

その理由の一つは競技人口で日本国内には1,000人から1,500人程度といわれています。女子の新体操と同じくらいの歴史を持ちながら、競技人口は圧倒的に少ないのが実状です。

世界的に知名度も低く、競技人口も少ないために国際体操連盟からは競技種目として認められておらず、男子新体操として世界選手権も開催されていないのでオリンピックの競技種目として未だ採用されていません。

しかし、男子新体操は2000年代に入ってから本格的に指導者を海外へ送り、国際化を進めています。国際体操連盟に対して男子の競技種目としての普及や国際体操連盟主催による大会の開催をアピールしています。

近年では日本国内でも注目され始め、2016年のリオオリンピックの閉会式におけるトーキョーショーでのパフォーマンスやYouTubeなどをきっかけに海外でも知名度が高まってきました。海外遠征も行われており、芸術性が高くダイナミックなパフォーマンスは高い人気を集めているそうです。

リオ五輪閉会式の日本男子新体操の選手はだれ?

2016年リオオリンピックの閉会式では、日本を代表するアニメやゲームのキャラクターが数多く出演し海外の反応も大きいものでした。

同じく注目を集めたのが光るフレームとともにパフォーマンスした50人のダンサーたちです。その中の20人が青森大学の新体操部のメンバーです。

(2016年リオオリンピック閉会式 トーキョーショー)

青森大学新体操部は2002年に創部、全日本学生新体操選手権(全日本インカレ)で15連覇、全日本選手権は3年連続12回も優勝した強豪校です。

(2016年 全日本インカレ 第1位 青森大学)

青森県では1977年の国体を機に男子の新体操に本格的に取り組み始めました。青森大学の系列である青森山田高校では1982年に創部され、やはり強豪校として有名です。

青森大学新体操部のOBの中には、世界的なエンターテインメント集団シルク・ドゥ・ソレイユのパフォーマーとして活躍している人たちもいます。

2011年10月から始まった「ザ・イモタール・ワールドツアー」というマイケル・ジャクソンをモチーフとした公演で男子新体操が演目に加えられました。
ここに青森大学や国士館大学出身者など7人が出演し大好評を博しました。

2013年の「One」、2015年の「バレカイ」でも男子新体操が取り入れられ、青森大学をはじめとした男子新体操選手たちが出演していました。

男子新体操は一般的な体操競技とは違い、技の難易度だけでなく美しさや時には面白さといった芸術性の高さも求められます。こういった競技の特徴がシルク・ドゥ・ソレイユのパフォーマンスとも合致したようです。

また、青森大学の新体操部OBによるストリートダンスと組み合わせた「BLUE TOKYO」というパフォーマンスグループも結成され、国内外で公演をして注目を集めています。

(BLUE TOKYO)

 

まとめ

女子の新体操が華麗で柔軟性のあるものに対し、男子の新体操は力強くダイナミックな動きが魅力ですが、競技人口が少なく世界的にも知名度が低いために世界選手権もないので、オリンピックの競技種目にも採用されていません。
今後、世界的に人口が増えて、オリンピックでも採用されるを期待したいですね。

以上、「なぜオリンピックで男子新体操は採用されないのか?リオ閉会式の日本男子映像がすごい!」でした。

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