棒高跳びは長いポールを使い高いバーを跳ぶ、大変迫力ある競技で、世界での活躍が難しいと言われる跳躍競技の中でも、日本人選手の活躍が期待出来る競技です。
2020年の東京オリンピックでも陸上・跳躍競技の1つとして採用されており、観戦が楽しみです。そんな東京オリンピックでの棒高跳びをさらに楽しく観戦出来るよう、日程とともにルールや歴史をご紹介していきます。
東京オリンピック2020 陸上(棒高跳び)の日程・会場
競技日程:7月31日(金)~8月8日(土)
この期間中で棒高跳びだけでなく、陸上のトラック競技・跳躍競技・投てき競技の全てが行われます。会場は開会式や閉会式も行われる、新国立競技場です。
8月9日(日)が閉会式であるので、東京オリンピック最後まで期待を持って楽しめそうですね。
(新国立競技場の場所)
陸上(棒高跳び)のルール
棒高跳びはポールを持ちながら助走路を走り、地面に埋められた強固なボックス(穴)にポールを差し込み、ポールの反発力をを利用して高く跳ぶ能力を競う競技です。
使用されるポールは長くしなやかな材質のものが用いられ、同じような跳躍競技である走り高跳びと比べると、格段に高い記録が出ることになります。脚の力のみではたどり着けない高さへ舞い上がる、ダイナミックさが大きな魅力ですね。
棒高跳びは跳躍競技に含まれていますが、「ジャンプ」とは呼ばず、英語では「ポウル・ボールド」、競技者も「ボールダー」と呼ばれています。また、陸上競技における正しい表記は、送り仮名をつけない「棒高跳」であります。
選手は1つの高さにつき、3回まで挑戦する権利を持っています。3回連続で失敗した場合は、失敗前に成功したものが最終の記録となります。自分の判断でパスを利用し、次の高さへチャレンジすることも可能で、パスの使い方も勝敗に大きく関わってきます。
また、競技者が4人以上残っている状態では、試技開始の合図があってから1分以内に試技を開始しなければなりません。最終的に同記録の選手が並んだ場合は、その高さを跳ぶまでの試技の回数が少ない選手が上位となります。
バーを越えずに、身体の一部・ポールが規定位置のボックスのより前方や着地場所に触れたとみなされると、その試技は無効となります。身体がバーに触れても、バーが落下しなければ跳躍は成功になります。いかに少ない失敗で、高い跳躍が出来るかが試合のキモなんですね。
ポールに材質・長さ・太さの規定は設けられていませんが、表面は滑らかでなければなりません。様々な性質で作られたポールが活躍に貢献してきましたが、現在はFRP(繊維強化プラスチック)やCFRP(カーボンもしくは炭素繊維強化プラスチック)が使用されていることがほとんどだそうです。
陸上(棒高跳び)の歴史
続いては棒高跳びの歴史に触れていきたいと思います。
棒高跳びの起源は古く、紀元前1829年頃とも言われています。羊飼いが杖を使って川や柵を飛び越していたことが発祥だと言われています。段々と仲間同士で川幅や柵の高さを競うようになり、それが競技化することになったことで棒高跳びの原型が出来上がりました。
イギリスで盛んになりましたが、産業革命期までの16~18世紀には「棒幅跳び」と呼ばれ、高さではなく距離を競うものだったようです。その跳び方は「木登り法」と呼ばれ、先端を地面に突き立て、木登りのようにポールを登りバーを飛び越すという方法でした。
その後、1866年にイギリスの大会で棒高跳びが陸上競技種目としてメジャーになり、「木登り法」は禁止となりました。
オリンピックでの棒高跳び競技は、男子が1896年のアテネオリンピックから、女子が2000年のシドニーオリンピックから正式種目として採用されています。
日本でも、女子は1993年以降の記録を日本記録として公認しています。
棒高跳びに欠かせないポールは当初、木製のものが主に用いられていましたが、弾力性という面では記録を伸ばすのに不向きでした。
そして1900年ごろ登場したのが竹製のポールです。しなやかで弾力性に富んだ竹が簡単に手に入れられる日本で、竹製ポールは日本人選手を世界のトップ選手に引き上げるのに大きく貢献しました。
1936年のベルリンオリンピックでメダルを獲得した西田修平(にしだしゅうへい)選手、大江季雄(おおえすえお)選手などがその筆頭ですね。その後は金属製のポールなども用いられるようになりましたが、記録向上に合わせて現在のFRPやCFRPが主流となりました。
マットやポールを突き立てるボックスなども、材質の交換を繰り返し、現在に至っています。工学的進化がアスリートのパフォーマンスへ直接的な影響を与え、記録向上に貢献してきたと言える種目なんですね。
まとめ
今回は陸上・棒高跳びについて、オリンピックの日程やルール・歴史を確認してみました。日本歴代1位の記録は男子で5m83、女子で4m40でありますが、世界記録は男子6m14、女子5m06とまだ差があります。
しかしそれは、日本人選手にはまだまだ記録が伸びる可能性があることを意味しているとも言えると思います。2020年の東京オリンピックに向けて、更になる活躍を期待し、応援していきたいです。
以上、「東京オリンピック2020 陸上(棒高跳び)の日程、会場、ルールと歴史」でした。
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