陸上競技の投擲種目に属するやり投げは、まさに古代狩猟民族の生活を思い起こさせる様な競技ですよね。今回、東京オリンピック2020をもっと楽しむ為に、やり投げの日程、会場、ルールや歴史を振り返り、観戦に備えましょう。
東京オリンピック2020 陸上(やり投げ)の日程・会場
開催期間:7月31日(金)〜8月8日(土)
8月4日(火) | 9:00 - 12:35 ・女子やり投予選 |
8月5日(水) | 9:00 - 12:35 ・男子やり投げ予選 |
8月6日(木) | 9:00 - 14:50 ・女子七種競技やり投 19:00 - 21:45 男子十種競技やり投 |
8月7日(金) | 20:00 - 22:55 ・女子やり投決勝 |
8月8日(土) | 19:00 - 22:20 男子やり投決勝 男女やり投表彰式 |
マラソン競技を除くすべての陸上(トラック・フィールド)競技は、7月31日から8月8日までの9日間行われます。やり投げの選手もその間、メダルを目指して死闘を繰り広げます。
会場:新国立競技場
会場は開会式、閉会式も行われる新国立競技場です。
陸上(やり投げ)のルール
それでは、まずルールからチェックしましょう。
やりの重さは、男子で800g、女子で600gです。思ったよりも軽いですね。
やりの長さは、男子で2.60m〜2.70m、女子で2.20m〜2.30mです。自分の身長よりも長いやりを投げます。
楽天など、ネットから購入することもできますが、やはりプロ用は10万円以上してお高いです。もう少しリーズナブルなやりも売られていますが、素人からは何が違うのかわかりません。
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実際の投擲から測定までの流れは以下です。
・最短でも30mの助走を付け、半径8mの弧のラインから投擲します。そのラインを超えると失敗です。危険防止のため、回転投法は認められていません。
・弧を中心とした29度のラインの内側に投擲・落下したものが有効な試技になり、ライン上のものは失敗となります。
・落下したやりの投擲場所から一番近い点から、投擲した弧の内側までの距離が記録になります。
一人3回の試技の後、予選通過標準記録に達した選手全員が決勝へ進みます。12名に達しなかった場合は、上位12名が決勝に進みます。決勝では、3回の試技の後、上位8名の選手は続けてさらに3回試技を行い、合計6回の試技のうち一番良い記録によって争います。
陸上(やり投げ)の歴史
では、やり投げの歴史はどのようなものなのでしょうか?
古代ギリシャでは、すでにやり投げはスポーツとして取り入れられていて、紀元前1700年から紀元前1400年ごろには競技会が実施され、ルールが整備され、次第に競技として整ってきたと言われています。
紀元前9世紀から紀元前4世紀に掛けて行われた古代オリンピックからやり投げは競技として採用されており、その歴史はかなり古いですね。
現在ではチェコ、ノルウェー、ドイツ、フィンランドなど、西ヨーロッパ・東ヨーロッパが強豪と言われています。ちなみに現在の世界記録は男女ともチェコの選手です。
日本では、溝口和洋氏が1989年に打ち立てた記録(87m60)が現在もアジア歴代2位、同時に日本歴代1位の記録として残っています。オリンピックには2回出場し、世界大会・アジア大会で日本代表選手として活躍しました。
ボランティアでハンマー投げの室伏広治氏を指導した経験も有り、彼に言わせれば溝口氏は「自分も厳しい練習をこなしている方だと思っていたが、溝口さんは誇張でも何でもなく、私の10倍以上の練習内容をこなしていた」と語るほど、現役時代にはウエイトトレーニングを徹底的に行う選手でした。
現在活躍中の選手の中では、新井涼平選手が恵まれた体格を生かし、溝口氏に続く記録を残しています。アジア歴代4位、日本歴代2位の86m83の大記録を2014年に打ち立て、2016年のオリンピック・リオ大会では決勝に進みました。惜しくも入賞は逃したものの、11位と大健闘しています。
まとめ
世界との記録の差はまだある種目のやり投げですが、最近ではコンスタントにオリンピックに選手を送り出している現状を考えると、東京オリンピック2020では地元開催ということもあり、選手達も気合いが入ってもっと良い成績を残してくれるのではないでしょうか?ルール・歴史はおさらいしたので、観戦の準備はばっちりですね。
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