最近、イギリスなどヨーロッパ諸国ではテロ事件が頻発しています。
日本では現在のところテロは起こっていませんが、2020年の東京オリンピックは世界中から人が集まるイベントのため、狙われる可能性が十分あります。
今回は、東京オリンピックでのテロ対策の費用や訓練について調べました。
2020年東京オリンピックでのテロの可能性と過去の事件簿
テロ攻撃といえば、2001年のアメリカ同時多発テロ事件、昨今ではイギリスなどヨーロッパ諸国、そしてインドネシアなどの東南アジアで発生しています。
犯行はアルカイダやISISなどイスラム過激派組織によるものですが、なぜ欧米諸国が標的になるのかというと、これはイスラム世界とヨーロッパが歴史的・地理的に古くから密接に関わっているのが要因の一つだからです。
歴史的に関わりが薄く地理的にも遠い日本は今のところテロ攻撃に遭っていませんが、標的になる可能性は十分あります。特に2020年の東京でオリンピックは世界的なイベントなので、狙われやすいといえます。
オリンピックは過去、1972年のミュンヘン大会(西ドイツ)の開催中にテロが発生しています。ミュンヘンオリンピック事件は、パレスチナの武装組織によってイスラエルの選手やコーチら11名が人質となり殺害されました。
この事件では、犯行グループが選手村への出入りが緩やかだったことを利用して侵入したため、これを機に選手村の警備は強化され、関係者以外は出入りすることが出来なくなりました。
1996年のアトランタ大会(アメリカ)でも爆破テロ事件が発生しました。世界中の注目を集めるオリンピックは常にテロの脅威があるため、その対策を行っています。
2012年のロンドン大会では、民間の警備会社だけでなく軍隊からも約17,000人の兵士が動員され、約6万人で警備に当たりました。
2016年のリオデジャネイロ大会では、警察だけでなく軍隊も出動して約88,000人で治安維持に当たりました。
2020年の東京オリンピックでも、いかに未然にテロを防ぎ、オリンピックを安心かつ安全に運営していくかがオリンピック成功のための鍵となるとっても過言ではありません。
(こちらは警視庁のテロ対策訓練の様子)
2020年、東京オリンピックのテロ対策や訓練
東京オリンピックの現時点での警備体制は5万850人を想定しています。
その内訳は、
・警察官 2万1,000人
・消防士 6,000人
・海上保安官 850人
・民間の警備員 1万4,000人
・ボランティア 9,000人
となっています。
この内、テロ対策である不審人物や爆発物や不審物の警戒は警察官が行います。
警備員は警察官の補佐に当たるほか、競技場や鉄道・空港などの公共個通機関などでの観客誘導、選手村の見回りなどを担当する予定です。
この内訳の中で、民間の警備員とボランティアは警備の未経験者が採用される可能性が高い為、雑踏警備の経験がある警察官によって事前に指導を行う計画があります。
過去大会に比べると、やや警備人数が少ないのですが、実際にこの人数だけでも確保は難しいようです。そこで、ドローンやNECが中心となって認証度を高めた最新システムの導入などハイテク機器を使ったテロ対策を検討しています。
訓練も始まっており、2017年7月5日(水)には鉄道会社と警視庁によって、列車内の不審物に対応するテロ対策訓練が行われました。
また、近年サイバー・テロも目立っており、2012年のロンドン大会では開催期間中、公式サイトへの2億件以上もの不正な接続要求がありました。
東京オリンピックでもサイバー攻撃の標的となる可能性が高いので、政府は「サイバーセキュリティ戦略本部」を設置して対策を講じています。
対策にかかっている費用
東京オリンピックの大会運営費約8,200億円の内、約1,600億円がテロ対策などの警備費用に当てる予算を組むそうです。
これは運営費用の中の割り当てでも一番多いということなので、テロ対策の重要度が高いことが数字からもわかります。
参考までに過去大会のテロ対策などの警備費用をご紹介します。
2000年 シドニー大会 300億円
2004年 アテネ大会 1,320億円
2012年 ロンドン大会 1,849億円
2016年 リオデジャネイロ大会 940億円
まとめ
世界的に見るとテロの脅威は年々増し、緊迫しています。
2020年の東京オリンピックも狙われる可能性が高く、日本政府はその対策や訓練を行う予定です。しかし、少しの隙をついてくるのがテロ攻撃です。そのため、一般観客である私たちも事前にテロ対策などを知っておいた方がいいでしょう。
以上、「東京オリンピック2020 テロ対策は大丈夫?費用、訓練について調査」でした。
Yoshida
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