霞ヶ関CC(霞ヶ関カンツリー倶楽部)は、1957年に開催された日本初の国際大会の会場となった、80年以上の歴史を持つゴルフ場です。東京オリンピック2020のゴルフ会場に決定したのち、「女性の正会員を認めていない」という事実が発覚し、問題視する声があがりました。
国際オリンピック委員会からも改善要求が出されるなど、大きな波紋を呼んだこの問題について、わかりやすく解説します。
霞ヶ関CCが東京オリンピック2020の会場になった経緯
そもそも、霞ヶ関CCが東京オリンピック2020の会場に選ばれたのはなぜなのでしょうか。
2020年のオリンピックが東京に決定する前、招致の初期段階では霞ヶ関CCの名前は挙がっておらず、東京都江東区にある「若洲ゴルフリンクス」が候補地とされていました。
その後、国際ゴルフ連盟からオリンピック会場に求める様々な条件が提示されたことで、約50のコースについて検討をし直します。その結果、候補地として挙がったコースが霞ヶ関CC、2番手の候補地が横浜市の横浜CCでした。
招致の最終段階の立候補ファイルには、国際ゴルフ連盟と国際オリンピック委員会の承認を得た霞ヶ関CCがゴルフ会場として記載されました。2013年に東京でのオリンピック開催が決定したことで、霞ヶ関CCが東京オリンピック2020のゴルフ会場となりました。
会場になったことで浮上した問題
今回問題になっているのは「女性の正会員を認めていない」ということですが、このようなことは霞ヶ関CCに限ったことではなく、ほかのゴルフ場でも見受けられることだそうです。
また、霞ヶ関CCでは正会員にはなれないものの、女性のプレー自体を認めていないわけではなく、正会員に限定している日曜日以外は普通にプレーできるということで、それまで施設を利用している女性会員からのクレームなどはなかったと言います。
しかし、今回オリンピック会場に決定したことで「オリンピック憲章」に抵触している、ということが大きな問題となりました。
オリンピック憲章とは、オリンピックの精神に則って大会が運営されるように定められた、基本的な規則です。このオリンピック憲章では、あらゆる差別を禁止しています。
そのため、女性の正会員を認めてないことは女性差別に当たり、霞ヶ関CCはオリンピック会場としてふさわしくないのではないか、ということが指摘されました。
解決策の発表
国際オリンピック委員会は、霞ヶ関CCに対して改善要求をしており、規則を変更しなければ会場変更を求める考えを示していました。
これに対して霞ヶ関CCは、協議の結果、女性も正会員になれるよう規則の変更を決定したことを発表しています。この決定によって、オリンピック憲章に抵触していたものはなくなり、問題は解決に向かうものとみられています。
霞ヶ関CCの正会員権の価格や条件
女性でも正会員になれるように規則を変更したと言っても、元々霞ヶ関CCの会員権は普通の人では手に入らないような価格です。
【霞ヶ関CCの会員価格】
会員権の価格:入会金800万円+正会員400万円 合計1,200万円
【霞ヶ関CCの入会条件】
・3年以上の同倶楽部でのプレイ実績
・正会員からの推薦
・理事の面談
これらをクリアして初めて会員になることができます。つまり今回の問題は普通の人にはあまり関係のないことですね。
まとめ
ただし、今回、霞ヶ関CCの問題が大きく報じられたことで、ゴルフ場の女性会員への待遇に関して見直すきっかけになったのではないでしょうか。日本のゴルフ業界は古いしきたりが根強く残っている世界ですが、これをきっかけに女性がより自由にゴルフを楽しめるようになると良いですね。
以上、「霞ヶ関CC(オリンピック会場)は女性の何が問題だったか?わかりやすく解説します。」でした。
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